<第6回>経営戦略としてのブランド ― インターナルブランディング

  • ブランド構築

ブランド経営のステークホルダーである顧客・従業員・投資家のうち従業員は、企業のブランド価値を構築していく担い手ですが、同時に受け手でもあります。従業員として満足し継続的に働きたいか。自社のブランドを家族や友人に誇ることができるか。また、就職活動中の学生や中途転職希望者にとって、その企業のブランドは魅力的で身を投じようと思えるのか。パートや契約・派遣社員にとって、選びたくなるような職場か。このような視点を踏まえ、ブランド価値を社内に浸透させていくことは極めて重要であり、この活動をインターナルブランディングと言います。

インターナルブランディングのための具体的な施策は主に三つあります。一つめはツール・メディア開発です。例えばブランドブックやブランドビデオなどのことで、内容としてはブランドステートメント(ブランドの考え方を明文化した声明文)やブランド価値構造、社内行動規範などの詳細な解説です。これが社員にとっては自社ブランドのバイブルとなります。

二つめはイベント開発です。研修セミナーやワークショップなど、直接的な対話によって社員の一体感を創出し、ブランドに貢献するモチベーションを喚起します。最初は嫌々ながら参加した社員も、実際にプログラムが始まると議論に熱が入り盛り上がることが多いです。

三つめは制度開発です。研修制度や報奨制度など、社員のブランド知識、意識向上、行動促進を促します。ブランドと言うとやや抽象的な議論に終始しがちなこともありますが、具体的な制度に落とし込むことで実態を伴わせることができます。

近年では労働市場の流動性が高まり、従業員の定着率に課題を抱える企業も少なくありません。特に店舗を持つサービス業のようなフランチャイズビジネスにおいては、現場を支える社員やパート、アルバイトなどにも自社ブランドの価値を徹底的に浸透させることは効果的です。最近ではグローバルに事業展開する企業も増えており、外国人のローカル社員に対して本社の考え方を浸透させることが、競争力の強化につながることも多いようです。



(文化通信 2014年7月21日号掲載)
※本連載は文化通信に寄稿した内容を転載しております。


関連ソリューション

ブランド提供価値規定およびブランディング

自社や自社事業のブランドを定め、社内外に自社や事業、製品の認知・理解を獲得したい。また経営方針や事業活動における向かうべき方向を定め、修正する拠り所としたい。

企業ブランドコンセプトの体現を事業活動にて実現したい。CSV・PURPOSE経営の実践

企業ブランド、もしくは事業ブランドにおける提供価値を、社内へのコミュニケーションおよび事業活動として実現したい。

WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

お問い合わせ