<第10回>経営戦略としてのブランド ― ブランド経営と企業サイト

  • ブランド構築

ブランド経営とは、単に見栄えを良くして企業イメージを向上させることではなく、ブランドの提供価値を中心に経営戦略全体を組み立てることだと繰り返し述べてきました。とはいえ、もちろんブランドの価値を目に見える形で適切に表現することも、必要不可欠であることには変わりはありません。ブランドの理念を長々と言葉で説明されるよりも、優れたクリエイティブワーク(コピーライティングやデザインなど)によって表現されたものを一目見る方が伝わりやすいということもあります。

そのようなブランド価値の具体的な表現物として、代表的な存在が広告です。ブランド経営における広告とは、ブランドの提供価値が1枚のグラフィックデザインや数十秒程度の映像作品に凝縮されたものです。優れた広告は、シンプルに見えてもその裏では緻密な戦略の上に成り立っていることが多いです。世界中で、多くの企業が多大な労力と巨額の費用をかけて広告活動に取り組んでいることからも、企業経営にとって広告がいかに重要なものであるかがわかるでしょう。

広告以外のブランド価値の表現物として、近年重要性が増しているのが企業のウェブサイトです。ただし、広告とウェブサイトで決定的に異なる点は情報の量です。
情報量の少ない広告では、ブランド価値を極限まで研ぎ澄ませてそのエッセンスのみを抽出する必要があります。そのため、多大な労力をかけたにもかかわらず、最終的に表現されるのは1枚の写真とワンフレーズのキャッチコピーのみということも少なくありません。

一方、情報量の多いウェブサイトでは、ブランド価値を詳細に語れる分、提供価値の厚みや深みまで伝えることができます。例えば広告で用いられたキャッチコピーについても、それを支える具体的な技術や競争優位性についてウェブサイト上で長文のテキストや動画などを用いて詳細に説明することが可能なのです。

経営戦略としてのブランドを推進していくには、今や広告のみならず、企業サイトを積極的に活用できるかどうかが、その成果を大きく左右するのです。


(文化通信 2014年11月24日号掲載)
※本連載は文化通信に寄稿した内容を転載しております。


関連ソリューション

ブランド提供価値規定およびブランディング

自社や自社事業のブランドを定め、社内外に自社や事業、製品の認知・理解を獲得したい。また経営方針や事業活動における向かうべき方向を定め、修正する拠り所としたい。

企業ブランドコンセプトの体現を事業活動にて実現したい。CSV・PURPOSE経営の実践

企業ブランド、もしくは事業ブランドにおける提供価値を、社内へのコミュニケーションおよび事業活動として実現したい。

WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

お問い合わせ