「ライフスタイル」という単語自体は非常に広範であり、衣食住にさらにレジャー/エンターテイメントを加えたものと定義することが多いが、特に、「住宅、家具、インテリア雑貨や家電」をライフスタイル市場とし、その市場においてステイクホルダーとして開発・製造や流通に関わる企業が属す業界をすべて「ライフスタイル業界」と定義している。
この業界定義が複雑な理由は、買い手(生活者)側からの視点と売り手(チャネルや流通)側からの視点が混在しているために起こっている。
流通視点では、建設・建築用語でいうA工事(構造)、B工事(設備・インフラ)、C工事(箱としてのインテリア 床壁天井)、ここまでが不動産や設備として取り扱われうるものである。よって、これらに関する原料や設備、工賃などはBtoB取引となり販売経路や取引条件も異なる。一般的に「壁内と壁外」と言って区別することも多い。
一方で、家具やシェルフのみならず移動可能なものは個人の延長に法人があり、メーカーサイドからすると、BtoBtoCとBtoC(直販)、さらにはBtoB商材と価格がオンラインショップなどで転売される、といった流通と価格のコントロールを行う必要性もある。
また、昨今は分譲、賃貸、タイムシェアなどの契約形態、売買形態について、または住宅ローンやリース化やサブスクリプションなどの課金/支払モデルの広がりによって打てる手段の幅が広がる一方で答えが出しにくくなっているとも言える。
このように、ライフスタイル業界におけるメーカーや流通は、BtoBやBto(Bto)Cを問わず、マーケティングやセールス活動は、個人的なテーマの身近さに対してブランドや事業・製品領域を定めてSTPを定める必要がある。
一方で、生活者視点で業界を俯瞰すると、生活者からすれば、ライフスタイル=生活を彩るあらゆる要素 が検討し手に入れる・手「を」入れる対象になる。そしてそれは、いち個人の趣味や興味関心のみならず、ライフステージや家族構成、地域や近隣などに影響され一意にその範囲は定められない。また、さらには「今、この瞬間」のライフスタイルだけでなく、将来設計を踏まえた視点も検討対象に入りうる。例えば家族構成の変化を踏まえた住宅であったり、貯蓄性を考えた保険や再販価値が高い車の購入など、そのような資産形成に主としたもの選び自体も「ライフスタイル」となりうる。
ライフスタイル業界に従事する企業においては、そういった生活者の興味関心の幅と時間軸を踏まえたうえで、自社の事業のポートフォリオを、生活者側の購買サイクルやライフステージに合わせたコホート型マーケティングしていくことも求められる。そして、できる限り1to1を目指しながら、ボリュームゾーンに合わせた個別最適に近しいマーケティングと、時代や時勢に合わせたトレンドオリエンテッドなマーケティングを組み合わせることが必要となっている。
リノベーションの受託とリノベーション住宅の販売を行うにあたり、オーナー同士もしくはオーナーと入居者を結びつけることで、将来のオーナー(投資者)を開発するというスキームを作りたい。