人材教育や研修、また人材採用および紹介・仲介・派遣を担う領域を「人材・教育・キャリア業界」と定義する。
また、この人材や教育は社会人だけでなく、小中高生を対象とした塾や大学、大学院などの学校法人も含む。
多くの先進国において、特に日本において人材不足は経営課題として深刻度を増し、またCFショートによる黒字倒産に続き、人材不足による倒産(正確には廃業や譲渡)もはや当たり前になっている。
ここでの人材不足の状況は二つあり、一つ目は人員絶対数および付加価値人材の不足が日本全国で不足していること。もう一つは業種と地域の偏りであり、労働集約型や将来所得の成長性や永続性が低い業界や地域での人員不足が起こっている。
人材を取り扱うことを事業とする企業において
これらを解決するために行政は教育要綱を改正し、大規模に「人材の質をあげる」教育へと変化しようとしている。また量不足への対応として外国人人材就業者の増加強化や、子育て終了後の女性やシニアなどを再度人材として活用しようとしている。こういった行政の長期的に視点による対策はあるものの、目の前の人材・人員不足に対しては企業と就業者側は自らの戦略を設計し対応していく必要があることは言うまでもない。
そのため、人材の採用支援や紹介・派遣業およびBPO業は活況を呈している。大規模な再編や統合が行われ効率化を図るとともに、スキルマッチングなどの新たな仕組みにより、人材およびその工数と企業をつなぎ合わせる事業が拡大している。
雇用側・人材を必要とする企業において
すでに雇用の強化から次の段階に入っているといえる。これまでは採用と就業継続(退職しない働きかけ)としてインターナルブランディングや福利厚生の強化(ラウンジやランチの整備)などが取り組まれ、一定の成果を上げている。
そういった、被雇用者やパートナーとのエンゲージメントと並行し、少ない人材でも会社や事業を回せる仕組みづくりの対応が進められている。
その際の視点は(1)現在いる人材をいかにパフォーマンスさせるか。その端のスキルとリテラシーを上げる。(2)現在いる人材をいかにモチベートさせ、ゴールへ向かう力を向上させるか。(3)人材・人員が不足してもパフォーマンスする組織・業務・プロセスおよびインフラを設計・運用し、効率を上げること。の3つである。
人材側
そして、何より人材側の意識や就業に対する意識が変化しつつある。
将来的な大学受験生、特に浪人生の減少を見据え、将来市場環境シナリオのプランニングから自社資産に基づく新規事業および新業態の開発を行った。結果、事業とビジネスモデルの多角化に成功。
主要誌における卒業生が使えないというランキングの低評価を受けるタイミングにて、大学ブランドの見直しに着手。理事会および教授会のワークショップを経て、ブランディングとしてのメッセージ、コンテンツおよびカリキュラム自体を刷新しPR活動を支援。着手後3年で同様のランキング2位まで上昇を実現した。
2018年問題以降、首都圏や関西圏の主要私大の越境による学生獲得が活発化してきた中で、当該地域や日本における当該大学の存在意義の見直しとその具体化に向けた施策の方向性を策定。教育、研究活動の在り方を検討した以外にも、M&Aや学部譲渡などによる学部新設や学費収入以外の収入源創設などを幅広く検討。また、変革を推進する事務職員の経営リテラシー向上施策の実施も支援。
昨今の大規模な統合がひと段落し、求心力をもたせるための新たなCI・VIの制定と、それを支える事業ポートフォリオの在り方を設計・構築し、その変化を社内外に対してブランドコミュニケーションとして行った。
また、さらにM&Aによる様々な事業背景と価値観をもつ社員の意識と価値観を共有し、事業シナジーを強化するためのインターナルブランディングを設計・実施し、継続的なモニタリングを行っている。