<第6回>成長に向けたブランド戦略 ― 自らカテゴリーを生み出し、ブランド化する

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ブランドを位置づけるカテゴリーを決め、その中で競合と差別化を図るのが、ブランド戦略の基本的な考え方である。そうしたセオリーに反し、自ら新たなカテゴリーを生み出すことを目指すのが、カテゴリー創造戦略だ。

典型的なカテゴリー創造は、従来のカテゴリーの前提であった要素にフォーカスし、新たな価値を打ち出すものが多い。例えばビデオカメラ市場でアクションカメラカテゴリーを創造したGoProは、「目の前の出来事や景色を美しく映像化する」性能を競っていた市場に、「自分の目で見えない景色を撮影する」という用途を創造した。また、清涼飲料市場にエナジードリンクカテゴリーを創造したレッドブルは、栄養ドリンクの疲労回復効果をヒントに、精神的発散・パフォーマンス向上という便益を生み出した。いずれも、従来の差別化の争点とは異なる部分で斬新な価値を打ち出すことで既存製品との間に顕著な対比軸を創りだし、独自なカテゴリーを創造している。

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※図: カテゴリー創造戦略のポイント

カテゴリー創造戦略はいわばイノベーション志向の戦略であり、難易度は非常に高いが、成功すれば非常に大きな成功をもたらす。そうした新機軸を見つけ出すには、用途・便益などカテゴリーの構成要素から見つめなおすことが必要だ。例えば顧客の中で企業の意図と異なる目的で利用しているユーザーを分析したり、既存ブランドの共通点を列挙しそれらを置き換えるブレインストーミングをしてみる。既存の「当たり前」に着目し、様々に発想してみることが必要となる。

発信においては、新たな価値とカテゴリー自体をブランディングする、という発想が重要だ。その印象が鮮烈であるほど、結果として自社のブランドの名前はその代名詞として浸透していく。いかにその特質を分かり易く、あるいは象徴的に伝え、顧客の頭の中でカテゴリーとして成立させるかがポイントになる。

(日経産業新聞 2016年1月20日付朝刊 スタートアップ面「ビジネス事始め」掲載)


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