「広告会社のマーケティングノウハウと経営コンサルティングのスキルを融合したまったく新しい形のコンサルティングビジネス」これが、10年前、博報堂ブランドコンサルティングを立ち上げた時から目指してきたことです。設立当初のブランディング業務から、経営戦略や事業開発や組織変革へと、顧客接点における具体化へのプロデュースへと、われわれのコンサルティング領域は急拡大しています。しかし、変わらないのは、「論理におぼれない、感性に逃げない」というポリシーと「戦略やコミュニケーションだけに留まらず、実際のビジネスの変革にコミットしていく」という、われわれのこだわりです。

博報堂ブランドコンサルティングは、広告会社出身者は少数派であり、経営コンサルティング会社、事業会社といった多様なビジネス経験を持った人間が、集まっています。ごった煮の人材が、日々ぶつかり合い、切磋琢磨することで、初めて新しいコンサルティングの姿が実現しているともいえます。
知恵を直接カネにすることはそう容易なことではありません。広告会社はソフト産業だと言っても、アイデアを目に見える制作物にすることで売っています。そして、多くの知恵が媒体枠を売るための付加サービスとして、提供されてきました。
しかし、広告会社が持つクリエイティブの力やマーケティングのノウハウは、ものづくりで閉塞している日本企業の現状を打破するには絶対不可欠なことです。目に見えない知恵一本で食っていくという覚悟と、広告会社の外にある人材とビジネスモデルを積極的に取り込んでいく勇気さえあれば、広告会社がシンクタンクや経営コンサルティング会社に伍していくことは、十分可能です。広告業務のコモディティー化の流れを堰き止め、広告の概念を一歩超えた、ビジネスの可能性がここにあると思うのです。

(「宣伝会議」2010年11月15日号 特集『広告ビジネスの未来を考える会議』掲載)