メルカリが実践するCX施策~「単なるオンライン化、単なる改善に留まらないCX/UXを再設計していくためには?」アフターセミナーレポートのご案内~

HCI広報

HCI広報

  • マーケティング
  • 事業変革

7月10日に開催したオンラインセミナー「博報堂コンサルとメルカリで考えるCX/UX設計~単なるオンライン化、単なる改善に留まらないCX/UXを再設計していくためには?」では、株式会社メルカリの川村俊輔氏をお招きし、CX変革を起点とする事業モデルのリデザインと、同社が実践しているCtoCの顧客体験の設計イメージなどにつきご紹介とディスカッションを行った。セミナーには非常に多くの方がご参加いただき、この度、その内容の一部をアフターセミナーレポートとしてまとめたので、ご紹介する。

セミナー報告 ~博報堂コンサルとメルカリが考えるCX/UXの再設計~

コロナ以前より着目されていた、DXやOMO変革などのテーマに着手すべきと実感しながらも、「単なる改善、オンライン化に留まってしまい新たなCXをうまく描けない」「思い描くCX実現のための最適な方法がわからない」などの理由で具体的な推進にあたり立ち止まってしまうケースは多い。このような現状に対し、セミナー前半では当社より、生活者や社会の変化に合わせたCX変革を起点とする事業モデルのリデザインの考え方と具体的な設計プロセスを、「顧客×ブランド×外×未来」をキーワードにご紹介した。その内容と当社の提供するサービスについては、ぜひ前回のコラムをご覧いただきたい。

後半では、株式会社メルカリのProduct strategyチームの立ち上げメンバーであり、現在logistics&transactionチームのManager of Product Managerである川村俊輔氏より、CtoCの顧客体験の設計イメージや具体的なCX再設計の事例についてお話しいただいた。

今回、その川村氏のセミナー内でのプレゼンテーションや、当社プロジェクトマネージャーの高橋とのディスカッションを、リアルな発言録という形でアフターセミナーレポートとしてまとめた。このコラムではその概要を一部ご紹介する。

事例1:VoEとUXリサーチから生まれた「梱包・発送たのメル便」

「梱包・発送たのメル便」とは、メルカリがヤマトホームコンビニエンスと連携し、ヤマトホームコンビニエンスのドライバーが自宅を訪問し、梱包・発送を行う匿名配送サービス。世界的にフリマアプリでは対面で物の受け渡しをする取引が一般的だが、メルカリでは基本的には非対面での物の発送を伴う取引がメインになっている。そのため、どうしても個人での梱包や発送作業が必要になるが、そのようなものをなるべく減らしていったのが「梱包・発送たのメル便」。炊飯器からベッドまで、かなり幅広いサイズに対応しているのが特徴である。ただ、このサービスは新規で生み出したものではなく、「大型らくらくメルカリ便」というサービスをリブランディングしたものである。このサービスはどのような経緯でリブランディングされたのか?

このリブランディングプロジェクトが始まった“きっかけ“は、2つある。まず1つ目は「VoE(Voice of Employee)」である。メルカリでは、社員が自身でもメルカリを利用する機会がとても多く、実際にメルカリでモノを売ったり買ったりした時に感じたことを、社内のSlackというチャットツールを利用し気軽にフィードバックする文化がある。前身である「大型らくらくメルカリ便」は実際に利用した人には好評だったが、利用者数は増加の余地があるように思えた。なぜ使われないのかという疑問の声と同時に、利用した時のトラブルや機能改善を求める声も多数寄せられていた。

2つ目はUXリサーチ。こちらもリブランディングを実施する前から、メルカリでモノは購入しても出品をまだしたことがないという一般の方々に対して、現状において出品しない理由を把握するために、UXリサーチを実施していた。そのリサーチ手段の一つに、お宅訪問調査があり、普段どのような生活をしていてどのようなときにメルカリを利用するのか等いろいろ観察して得た気づきが、前身の「大型らくらくメルカリ便」の伝え方の改善やサービスとしてもっとグロースすることができるのではないか?という声となり、このプロジェクトの発足のきっかけとなった。

cbp3_0801_1cbp3_0801_2

市場性・実現性・ブランド視点の評価軸

サービスを設計していくにあたり、UXリサーチを通じて、幅広い課題やインサイトが出てくる。その中でどれを優先的に行うかは、NPS調査であればある程度定量的に結果が出るが、定性的な結果からは絞り込みづらい。メルカリが評価軸として重要視しているのは「お客様視点」と「実現可能性」、そして「ブランドへの一致度」である。お客様がどの程度その機能が欲しいのか、お客様視点での評価軸は大前提だが、それが実現できるのかどうかも重要。先の「梱包・発送たのメル便」も、実現軸での実現が無理であればスタートしなかった。そして、次にメルカリに合っているか?メルカリがやるべきなのか?ブランドへの一致度に対する評価は常に行っている。例えば、使いやすいかどうかだけではなく、安全・安心なのか?はメルカリらしさの評価軸として社内判断に用いている。

実現可能性の評価は難しいところがある。DXなどの技術的な概念が進んでいる環境において、プロトタイピングなどの必要性が生じる。メルカリではサービス自体が大きくなってきているので、そう簡単にはソフトウェアの開発自体に手を加えることが難しくなっているが、社内テストを紙に書いて実施したり、デザインツール、UIツールなどで画面だけ簡単に作り紙芝居的に画面を見ながらテストしたりなど、常に何らかの形で検証を行っている。

cbp3_0801_3cbp3_0801_4

 


―本レポートをご希望の方は、下記リンクよりお申込みください―

メルカリが実践するCX施策
「単なるオンライン化、単なる改善に留まらないCX/UXを再設計していくためには?」
アフターセミナーレポート

レポートお申込み

※本レポートは限定配布となります。レポートご希望お申込みにつきまして、博報堂コンサルティングのNDA およびレギュレーションにより、本レポートのご提供をお断りさせていただく場合がございます。予めご了承ください。

 


WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

お問い合わせ