オンライン化、DX、OMO変革。コロナ以前より着目されていた、これらのテーマに今こそ着手すべきと実感しながらも、「現状のサービスやオペレーションをオンライン化するだけで良いのだろうか」「現状の単なる改善に留まってしまう」という悩みの声は多い。なぜ、単なる改善、単なるオンライン化に留まったCX設計になってしまうのか。そこには、CXを再設計するにあたり、見逃してはならないポイントがある。それは具体的にどのようなものか。
CX設計のプロセスにおける罠
一般的に、CXを再設計する際は、カスタマージャーニーにおけるAs is(現状の姿)を描いた後に、これからのTo be(あるべき姿)を描く。このAs isを描くという行為自体は重要なことであるが、実はここに一つの罠がある。As isを丁寧に描けば描くほど、思考が企業視点に、そして現在/内向きに向かってしまうのだ。また、To be像を描く際にも、デジタル化に伴う技術的な問題があるために、つい技術視点や実現性視点での優先順位付けや取捨選択が行われてしまう。その結果、単なるオンライン化、単なる改善に留まったCX/UXになってしまう。
これらを回避するため、当社では「顧客×未来/外×ブランド」を大切にしている。施策や企業起点ではなく、顧客(=生活者)・ブランド起点でCXを設計する場合、そもそもこのブランドが顧客に提供する価値は何か、顧客体験プロセスの中で顧客の喜びとなるものは何か、というブランドコンセプトや顧客デライトに改めて立ち戻って検討することができるため、CX設計における優先順位が明確化される。それにより、ブレることなくCX全体の見直しや変革を検討しやすくなる。
(この顧客・ブランド起点でのCX変革のポイントとプロセスについては、サービスシートをご覧いただきたい)
しかし、では具体的にどうすれば良いのか。“顧客起点”という言葉で説明されているものは目にしたことがあっても、実際にブランドコンセプトや顧客デライトに立ち戻って検討し、それをCXプロセスに落とし込んでいくというのはどういうことか、具体的に何をしなければならないのか、なかなかイメージしにくいのではないだろうか。
顧客デライトの発見を可能にする生活者発想
生活者発想とは、人を単に「消費者」として捉えるのではなく、「生活者」として全方位的に捉え、生活者自身も言語化できていないような根源的な欲求を洞察しようとする考え方である。
例えば、通販アプリ事業のCXを再設計しようとする場合、通常、アプリ上での挙動に目が行きがちである。しかし実は、本質的に解消しなければならない課題や顧客のインサイトは、そのアプリに接続する前の家の中に潜んでいる可能性が高い。また、アプリ運営側はどうしても「ものを売る」ということにフォーカスしがちだが、自社の事業領域には直接含まれない「保管」や「処分」といった領域にヒントがある可能性もある。
すなわち、顧客デライトをきちんと把握し最適なCXを描くためには、UIを突き詰めるだけではなく、自社の事業領域以外も含めた“生活者の生活をまるごと見る”ことが必要なのである。
今回のセミナーでは、このような実態に触れながら、罠に陥らないための「顧客×未来/外×ブランド」を取り入れた具体的なCX設計プロセスの内容を紐解いていく。また、実際に顧客視点を徹底することで、単なる改善に留まらないCX変革を実現している企業として、株式会社メルカリの川村俊輔氏をお招きし、その背景をご共有いただくとともに、CtoCの顧客体験の設計イメージや具体的な業務の内容についてお話いただく予定である。
ご興味のある方は、ぜひ下記の申込フォームよりお申込み・ご参加いただきたい。
―本内容を詳しくご紹介するオンラインセミナーを実施いたします―
単なるオンライン化、単なる改善に留まらないCX/UXを再設計していくためには?
日 時:2020年9月25日(金)16:00~17:00
ツール:ZOOM(お申込み時は法人メールアドレスでご登録ください。ご参加時にメールアドレスでログインいただきます)
登壇者:博報堂コンサルティング プロジェクトマネージャー 高橋 悠一郎
※本セミナーは、7月10日(金)に開催しましたセミナーと同一の内容になります。前回ご参加いただけなかった皆様はもちろん、もう一度お聞きになりたい方も、ぜひお申込みください。
※今回は、株式会社メルカリ川村氏のご登壇はございません。
※本セミナーのお申込みにつきまして、博報堂および博報堂DY ホールディングスグループのNDA およびレギュレーションにより、セミナーのご参加をお断りさせていただく場合がございます。またセミナーでのディスカッション内容は、セミナー事後レポートに掲載させていただくことがございます。予めご了承ください。
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