成果を生み出し続ける「強い組織」のつくり方 <第1回「強い組織」とはどういう組織か?> ~オンラインセミナーのご案内~

依田 真幸

依田 真幸

  • 組織改革・人材育成

昨今、企業の成長・発展には「強い組織」づくりが求められている。組織強化というと、企業理念やパーパスの策定・浸透や、組織の一体感醸成・連携強化のための社内コミュニケーション活性化に取組む企業も少なくない。しかし、なかなか結果につながらないという声も聞かれる。また、一歩踏み込んだ組織変革に着手しようにも、何から始めればいいかわからないという企業も多いのではなかろうか。
今回のセミナーでは、企業が目指すべき「強い組織」とは何か、そしてその「強い組織づくり」の進め方のポイントを、実際の取組事例から得た示唆を交えて具体的にひも解いていく。


1.「強い組織」とはどういう組織か?

「強い組織」をつくるといっても、具体的にどのような組織が「強い組織」なのだろうか。
これには様々な解が考えられるが、激しい環境変化のなかでもイノベーションを創出し継続的に成果を出し続けるためには、自ら成長し続けることのできる自律的な組織であることは必須と言えるだろう。そのためには、組織自体が常に学習し続けることが必要である。また組織レジリエンス、すなわち柔軟な対応力を高めることも大切な要素だ。逆境やこれまでに経験したことのない状況が目の前にやってきた時、「やったことがないから」と頑なになるのではなく、「やってみよう」と柔軟に向かっていくことのできるしなやかさ。そのしなやかさをもって、失敗しながらも経験することで学習し、組織が強化されていくのである。

組織の活性化に欠かすことのできないコミュニケーションにおいても、大事なのは単に円滑なだけのコミュニケーションではない。建設的な意見や批判を言い合うことは、さらに組織を強くする。それは決して常に居心地の良い組織ではないかも知れないが、相互信頼に基づき互いに意見や批判をぶつけることで良い結果が生まれると、その議論の中で自分の意見を主張したことが貢献感となる。そして、「自分は役に立った」という個人の幸せとなり、モチベーションとなる。このように、「自分らしく自発的に行動することで自分が貢献できている、成長できている」と感じる個人が増えていくことが、組織の柔軟性を高め、組織そのものを成長させ、その組織を強くすることにつながると考えられる。

2.「強い組織」実現には、成功循環モデルで組織的な学習状態を作る

これらの「強い組織」像は、いわば組織として目指すべき理想の姿とも言える。では、これを実現するにはどうすればよいか。

よくある例として、組織力強化のためにまずエンゲージメント調査を実施し、そのスコアを上げることを目標にまずは社内の風通しを良くしようと、例えば上司と部下の1on1ミーティングを行う。しかし、最初のうちは真面目に実施されていても、実際にはこんなことをしても何も変わらないと双方が内心思っており、次第に実施されなくなってしまうことが多い。これは、単に上司と部下が会話をすることだけでは、エンゲージメント強化にはつながらないということであり、本質的な解決策になっていないのである。

では、何が最も部下のモチベーションアップにつながるのかというと、それは日々の自分の業務にしっかりと取組み、アウトプットを出し、それが誰かに認められることではないだろうか。認められれば、「次もまたがんばろう」と思うことができる。つまり、自分の業務の中でしっかりと結果を出し、それが認められるということの循環が、組織へのエンゲージメントを高める一番の近道なのである。

この循環と非常に相性が良いのが、「組織の成功循環モデル」だ。マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱したこの成功循環モデルは、「関係の質」すなわち組織の中のコミュニケーションや関わり方が良くなると、「思考の質」が前向きで幅広い視野を持ったものとなり、それが「行動の質」を変え、「結果の質」を高め、そして「関係の質」がますます向上する、というものだ。これにより組織のエンゲージメントを高めることができれば、組織が継続的に成長し結果を出し続けることができるという成功サイクルである。

この成功循環モデルにあてはめて考えると、コミュニケーション強化は「関係の質」、企業理念の浸透は「思考の質」に関わる部分である。すなわちコミュニケーション強化だけ、または企業理念の浸透だけを一生懸命やったとしても、このサイクルをきちんと回さない限り、本当の意味で従業員のモチベーションや幸福感は生まれてこない。エンゲージメント調査のスコアを上げるためには、「関係の質」を良くすれば結果が出ると漠然と考える人は多いが、実際にはその間に大事なステップがあり、成功循環モデルはそれを明確化してくれるのだ。

さらに、この成功循環モデルを使って、自分たちの組織の「現状把握」とそれぞれの質の「因果関係の検証」を行うことも非常に重要である。継続してサイクルを回していく中で、因果関係を見直していくことにより、この成功循環モデルがブラッシュアップされていく。また、自分たちが今どこまでできているのかを共有することは、さらにモチベーションにもつながる。このようにして組織的な学習状態を作ることが、組織を強くしていくのである。

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3.導入するだけでは始まらない!成功循環モデルの運用における見落としがちな罠

しかし実は、成功循環モデルを導入しただけではうまくいかない例も多い。それは、このサイクルの回し方について重要ないくつかのポイントを見落としているからである。

まず、最初の大きな失敗要因は、サイクル全体の関係性と仮説をしっかり考えないことだ。成功循環モデルは、「循環させること」が非常に重要である。そのため、はじめから「関係・思考・行動・結果」がどのような関係性で向上していけるのか、という因果関係をきちんと捉え、自分たちなりの仮説を立てた上でサイクルを回し、今自分たちがどの状態にあるのかを把握しながら振り返ってその仮説を見直していくことで正しく運用することができる。つまり、場当たり的に進めるのではなく、スタートの段階できちんと仮説検証できる状態を作っておくことが大きなポイントである。

では実際に仮説を立て、このサイクルを回すにはどうすればよいのか。

その詳細は、12月15日開催予定のオンラインセミナーでご紹介する。
ご興味のある方は、ぜひ下記の申込フォームよりお申込み・ご参加いただきたい。

 


―本内容を詳しくご紹介するセミナーを実施いたします―

<オンラインセミナー概要>

成果を生み出し続ける強い組織のつくり方
―「強い組織」とはどういう組織か?―


【日 時】2022年12月15日(木)16:00-17:00
【ツール】ZOOM(お申込み時は法人メールアドレスでご登録ください。ご参加時にメールアドレスでログインいただきます)
【登壇者】
 BIPROGY株式会社 グループマーケティング部 小谷野 圭司 氏
 株式会社博報堂コンサルティング プロデューサー 依田 真幸

※こちらのセミナーは終了いたしました。

※本セミナーのお申込みにつきまして、博報堂および博報堂DY ホールディングスグループのNDAおよびレギュレーションにより、セミナーのご参加をお断りさせていただく場合がございます。予めご了承ください。

 


 

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