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社員の心を束ね、組織の自律化を推進するには ~インターナルブランディングのご紹介~

作成者: HCI広報|2020年03月02日

企業がブランディングを行うべき相手は、顧客や投資家といった外部のステークホルダーだけではない。社員に対しても正しいブランドの理解と共感を促すことで、社員満足度を上げたり、全社同じ方向を向いて事業を行ったり、保守的で硬直した組織体質を改善することができる。

インターナルブランディングのプロセスでは、まず初めに自社現状分析を通じて課題抽出を行う。現状分析の視点は4ステップに分かれる。

 

ブランドビジョンの有無把握

ブランドビジョンは存在しているか?既存のブランドビジョンは時代遅れになっていないか?

ブランドビジョンの理解状況把握

ブランドビジョンは社員に認知されているか?キーワードだけが浸透し、誤った理解をされていないか(外部から見てどの様なイメージ・評価をされているか)?

 

行動変容を促すためのキーファクター把握

社員の現状の意識や活動はどの様なものか?ハイパフォーマーおよびローパフォーマーの意識や特徴的な活動、抱えている不満などは、どのように違うか? 

継続的な行動を促す仕組みや障壁の把握

現在の施策や制度で、社員の満足度やモチベーションを高めているものはどの様なものか?一方で不満点・改善点、それに関連した社員の満足度やモチベーション向上のポイントは何か?

特にハイパフォーマーとローパフォーマーの違いを明らかにする作業では、社員アンケートの回答結果から社員をパフォーマンスレベルでセグメントに分け(定量)、各セグメントにヒアリングを行う(定性)。その結果をもとに活動の方向性を検討していくこととなる。

なお、ブランドビジョンが存在していない、もしくは改変が必要な場合は、「ブランドの扇」フレームを用いてブランド提供価値を整理する(ブランドの扇については、当社サービス資料「提供価値規定」で解説している)。

現状分析が完了したら、ブランドビジョンを現場社員の行動に結び付けるためのアクションプラン設計・浸透シナリオの検討に入る。ここでは作りたい社員の意識・行動と、その際に想定される障壁に応じて施策要件を定めていく。たとえばブランドビジョンを認知させる段階では、社員一人ひとりが興味をもてるように、トップマネジメント層が表に立って「本気感」を伝える施策が必要だ。

ブランドビジョン浸透には数あるコミュニケーションツールの中から、課題に対して最も効果のあるものを採用していく。例えば、現場社員に、ブランドビジョンを自分の業務に落とし込んでもらいたい場合は「クレド(ブランドビジョンを体現する行動指針が書かれたカード)」が有効だ。クレドは、WSを通じて現場社員の声をくみ上げながら作成することでより有効な施策となる。

また活動を単発で終わらせず、社員に継続的な行動を促すための施策も必要となる。例えば、各拠点・部門の全ての現場社員が参加できるように複数回のワークショップを行い、「ブランドビジョンに基づくと、業務においてどのような行動をとるべきか」を社員自らが討議することで、理解を深めることができる。あるいは、社員同士がブランドビジョンを体現する同僚を評価する「グッジョブカード」によって“賞賛の文化“を醸成したり、現場社員のアイディアを全社的に吸い上げ、評価する「アイディアコンテスト」によって”挑戦する文化“を作ったりすることも、継続的な行動を促すのに有効だ。

 

インターナルブランディングはトップから現場社員までを巻き込み、企業をより自律的で強い組織に変えることができる。このサービスの詳細にご興味のある方は、サービスページをご覧いただき、ぜひ資料ダウンロードまたはお気軽にお問合せいださきたい。