- ニュース
2020年06月02日
【プレスリリース】“顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ“レポートを公開
株式会社博報堂コンサルティング(東京都港区、代表取締役社長:喜馬克治)は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、顧客購買体験(カスタマージャーニー)にどのような変化が起きているかを把握することを目的にした「顧客購買体験に関する実態調査」と、在宅勤務によって加速した業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)が組織や個人の役割にどのような変化をもたらしているかを把握するための「従業員ロイヤルティへの影響調査」を実施いたしました。調査結果から、「顧客/従業員/経営者」の行動・意識変化を着眼点に、企業が今後の戦略を考える際の方向性を示す「4つの未来シナリオ」を導出。このたび、アフターコロナ時代を生き抜く成長戦略の実現に向けたレポートとして“顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ“をリリースいたします。
なお本レポートは、未曾有の危機突破と再始動のための提言を行う実行支援活動「コロナブレークスループロジェクト」の一環で、今後も調査および研究結果を随時発表してまいります。
<レポートサマリー>
STAYHOMEがもたらした不可逆の変化とは
2020年、オールデジタル化社会と世界的パンデミックの同時進行が未曾有の環境変化と経済危機をもたらしている。特に国家レベルの緊急事態がデジタル主導の社会を強制的に普遍化し、これ以降の新しい生活様式や価値観を形づくることは必至である。しかし一方で、これまで先送りを繰り返していたDX(デジタルトランスフォーメーション)が一気に数年分加速したともいわれている。これらの「不可逆な変化」は、どのようなものだったのか。顧客や従業員の意識や行動はどのように変化したのか。当社では、顧客体験(CX)と従業員体験(EX)における意識変化や行動変化につき独自の調査を行い、そこから、その変化がもたらす以下のような未来シナリオを描いた。
CX・EX調査から導く4つの未来シナリオ
この未来シナリオは、4象限で構成されている。これは、「自分たちがどの方向に向かうのか」という戦略を考えるための、未来環境についての4つの方向性である(図1)。
(図1)将来環境シナリオ仮説
〇顧客の購買行動(CX)について(図1:縦軸)
<顧客の意識・行動変化1>買い物圏は近場かオンラインへ増える“賢い消費者”
コロナによる外出自粛の結果、購買チャネルのオンラインへの移行が加速している。特に家電や服飾、化粧品などは、コロナを機にオンラインショッピングを経験した人のうち約20%~30%が、今後はオンラインショッピングに切り替えると回答している。従来はカウンセリングの必要性などから店舗での購入が多かった化粧品や家具までもが、今後、一定数はオフラインに戻らないことになる。さらに特徴的なのは、60代や70代といった高齢者層にもこのような意向があることである(図2)。
(図2)調査結果:オンラインショッピングへの切り替え意向
<顧客の意識・行動変化2>買い物圏縮小、買い回り忌避、事前検討の周到化
外出に対する意識の変化から、買い物行動も変化した。まず、①買い物圏が狭小化した。また、②複数店舗の買い回りを避けるようになり、いわゆるウインドウショッピングのような「とりあえず店舗に行って何かないか探す」という行動はなくなる傾向にある。店舗に行く時は、ある程度買いたいもののカテゴリーなどを決めて出かけ、あちこちの店を見て回るという行動は減少。さらに、そのためには③事前に情報収集を行い、事前検討を行ってから買い物に行くようになった(図3)。
(図3):調査結果:買い物行動の変化
〇企業と従業員(EX)について(図1:横軸)
<従業員の意識・行動変化1>価値観の変化により企業評価は二極化。会社と個人の新たな距離感
従業員における大きな変化は、さまざまな「分断」が起きていることである。まず、従業員から見て「自社が信頼できる企業であるかどうか」の判断が大きく分かれている。コロナ前後での自社に対する気持ちや考え方の変化を見ると、自社の事業が社会的に意義のあることなのか、という「企業と社会の関係性」を重視する傾向が強まっている。一方で、企業のトップの対応に対する信頼は減少し、「企業と自分の関係性」を重視する傾向も見られる。このような価値観の変化から、従業員が企業を評価している/がっかりしている、という判断が二極化している(図4)。
(図4)調査結果:アフターコロナで変わる従業員の意識・価値観
<従業員の意識・行動変化2>リモートワークが生んだ「画面の向こう」の帰属意識低下
リモートワークは、もはや当たり前という意識が根付き、そのような働き方を企業が推進していくことが必要だが、リモートワークの「画面の向こう」で帰属意識の低下のケアが重要になる。リモートワークで不要な業務が発生していると感じている31.3%、リモートワークの業務状況の監視にストレスを感じるのが25.1%となり、4人に一人が今後リモートワークで仕事をしたくないとの結果が出ている。「個人」と「企業」の新しい関係性を見据えた働き方のデザインが求められている(図5)。
(図5)調査結果:リモートワークに関する意識調査
以上のような調査結果を踏まえ、これらから見えてきた傾向を読み解き冒頭の4つのシナリオを作り上げています。変革を推し進めるには、このようなシナリオに基づき戦略と方向性を策定することが非常に重要です。では、具体的に企業はどのような施策を打つべきなのか。詳細の調査結果と施策については、レポートにまとめていますので、下記特設ページよりダウンロードください。
<レポート概要>
“顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ“
アフターコロナ時代の成長戦略
~企業における未曽有の危機突破と再始動に向けたファンファーレ~
アフターコロナにおいて、不可逆な変化が起きているといわれる状況の中、これからの顧客体験(CX)と従業員体験(EX)はどうなるのか?戦略と戦略実行の担い手である従業員に対し、具体的な打ち手を模索している企業経営者・マーケターへ向けて、顧客(CX)とインナー(EX)の2軸による未来シナリオから、自粛から前へ動き出す為の積極的な「危機突破策と打ち手」の方向性を示します。生活者発想ベースに上質な企業ブランドを創り出してきた博報堂コンサルティング独自の視点で分析レポートおよびレポート解説セミナーを実施します。
<レポート>
顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ
Chapter1. コロナと企業経営の現在位置
Chapter2. 生活者の意識・行動変化
Chapter3. 従業員の意識・行動変化
Chapter4. WITH/AFTERで起こるシナリオ
Chapter5. 提言―アフターコロナ時代における成長戦略
レポートのお申込みはこちらからご登録ください。
―レポート内容と戦略方向性をご紹介するオンラインセミナーを実施いたします―
アフターコロナ時代を生き抜く成長戦略セミナー
“顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する
企業の危機突破シナリオ“の解説と戦略方向性を探る
日 時:2020年6月10日(水)16時~18時
ツール:ZOOM(事前の登録とアップデートをお願いいたします)
登壇者:博報堂コンサルティング パートナー 森門 教尊
博報堂コンサルティング シニアコンサルタント 鈴木 拓
博報堂コンサルティング コンサルタント 海野 幸志
セミナーのお申込みはこちらからご登録ください。
セミナーは終了いたしました。多数のご参加、誠にありがとうございました。
※セミナー日程につきまして、当初「2020年6月10日(木)」とご案内しておりましたが、正しくは「2020年6月10日(水)」となります。訂正の上、お詫び申し上げます。
詳細は添付のプレスリリースをご覧ください。
≫【プレスリリース】“顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ“レポートを公開 [PDF]