顧客のインサイトを読み解くことで、顧客から選ばれ続ける戦略策定を実現するには ~顧客起点のユーザーシナリオ設計サービスのご紹介~

HCI広報

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顧客を獲得し、育て、自社との関係を深化させていく上で、顧客の購買ファネルを“マーケティングKPI”とする企業は多いだろう。ここでいう“マーケティングKPI”とは、市場にいる顧客全体を母数として、そのうちどの程度が購入に近づいているかを段階的に示した割合である。これを分析することで「どの商品」あるいは「どの段階の顧客」に注力してマーケティング活動をすべきかを知ることができる。

 

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では具体的に、どうすれば顧客は購買ファネル上の次の段階へと進んでくれるのだろうか。そこで必要となるのが「CX(顧客体験)戦略」である。本コラムでは、CX戦略に必要な自社活動を、「顧客接点」とそこで提供する「情報/コンテンツ」の組み合わせとして捉え、当社の戦略策定パッケージに則って概要を解説する。

顧客接点の検討は「売り手目線」で行われる。まず購買ファネルの段階ごとに、想定される自社と顧客の接点をオンライン/オフライン問わず整理する。そのうえで、マーケティングKPIを達成する(=顧客による購入やファン化を実現する)ためには、顧客がどのように接点を遷移するのが望ましいかを整理し、「ユーザーシナリオ」にまとめる(下図参照)。この際、顧客の動線は単なる一方通行ではなく、ある接点をスキップしたり、前の接点に逆行したりするといった可能性も想定する。

 

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次に、各接点で自社が顧客に提供する情報/コンテンツを検討する。まず行うのは、各接点を評価する指標の設定だ。これには“ブランディングKPI”を用い、ユーザーシナリオ上の各接点の役割に基づいて設定する。“ブランディングKPI”は「コミュニケーション指標」と「ブランド指標」のニ層で構成されるが、企業の自社活動は前者に作用する。ここでの目標は、第一に顧客にブランドを認知してもらい、次にどのようなブランドなのか(事実・特徴)を伝え、どのような価値を提供するのかというメッセージに納得してもらう(=理解を得る)ことだ。それが達成されたのち、顧客は「自分に向けた提供価値を備えている」と感じたブランドに共感し、そうした顧客の行動が好意や推奨といったブランド指標を動かしていく。

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ブランディングKPIという目標を自社活動に落とし込むには「顧客目線」が必要だ。具体的には、まず各接点で醸成される顧客心理を想定し、次にそのような心理に応える情報/コンテンツを考えるという手順を踏む。例えば「広告」という接点で「認知」を目標とする場合、初めて見る商品に「疑問」を抱く顧客に対して「商品概要」という情報の提供が必要だ。あるいは、「店舗の販売員」という接点で「好意」を目標とする場合、購入を終えて「満足感」を覚えている顧客にすかさず「会員限定プログラム」というコンテンツを提供することなどが考えられる。

接点と情報/コンテンツを設計できたら、そうした自社活動を管理・評価するための“パフォーマンスKPI”を設定し、CX戦略を実行に移す段階となる。“パフォーマンスKPI”は「接点」「情報/コンテンツ」それぞれの視点で設定する必要がある。例えばSNSを使った自社活動なら「接点:アクセス数」「情報/コンテンツ:好リアクション数」といったKPIが考えられるだろう。

以上のようにマーケティングKPI達成に向けて想定した一連の顧客体験を“カスタマージャーニー”と呼び、その要素を一枚にまとめたものが“カスタマージャーニーマップ”である。

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CX戦略の管理に必要な3つのKPIを整理すると、自社活動によって動くのはブランディングKPIとマーケティングKPIであり、パフォーマンスKPIは自社活動自体を評価する指標であった。また、こうしたマーケティング・ブランディング全体のPDCAサイクルは、評価・見直し対象に応じて以下の例のように個別に周期を設けることが一般的だ。

【PDCAサイクル例】

①月次/四半期単位
CX戦略のパフォーマンスKPIを分析し、自社活動がブランディングKPIやマーケティングKPIに寄与しているかを評価する。必要に応じてユーザーシナリオで設定している媒体(出稿先や予算など)や、顧客に提供する情報/コンテンツを見直す。

②年次単位
ブランディングKPIやマーケティングKPIが当初の仮説通りに動いているかを評価する。仮説に修正の必要性がある場合、合わせてユーザーシナリオや顧客心理といったカスタマージャーニーの内容を見直す。

③中期単位(3年程度)
自社の戦略が社会や市場の環境変化に適応すべきか評価する。場合によっては、ターゲットや提供価値といった大上段の戦略を見直す。

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CX戦略を進めるにあたっては、KPI測定のインフラ整備やマネジメント体制、業務プロセスの構築なども併せて行われる。このサービスの詳細にご興味のある方は、ぜひサービスページをご覧いただき、資料ダウンロードまたはお気軽にお問合せいただきたい。


 

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