ブレないブランドを保つための、ルールと組織を構築するには ~ブランド運用管理サービスのご紹介~

自社ブランドの事業領域や展開地域が広がったり、新ブランドを構築したりした際に、そのブランドイメージにブレが生じるケースは少なくない。海外拠点が勝手にビジュアルを変更し、グローバルでの統一感が損なわれるケースもある。本コラムでは、ブランドの管理者と運用ルールを定め、長年にわたって「ブレないブランド」を守り続けていくためのプロセスを解説する。

ブランド運用管理の全体像は、主に3つの活動とそれを支えるインフラの整備で構成される。

①ブランドガイドライン制作
ブランドに関わる社内活動を束ね、アウトプットに統一感を持たせるためのルール策定。デザイナーと協働し、ブランドイメージを形成する言語的・視覚的表現に一貫性を持たせるための「決まりごと」を策定する。

②ブランドマネジメント組織構築
ブランドに関わる社内の活動がルールから逸脱しないよう管理しながら、活動を推進する管理部門の構築。

③ブランドKPI・PDCA活動
ブランドに関わる社内の活動の成果を定量的に測定し、改善していく活動。

ブランドマネジメントインフラ

KPIなどを共有するBI(ビジネスインテリジェンス)ツール、ガイドラインを準拠させ必要な素材を共有するためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)等、ブランドを適切に運用・管理するためのインフラ。上記①~③の活動の土台を支える。

実際はブランドの現状把握をおこなった後、上記①~③の活動を行っていく。

ブランド現状把握では、既存デザインアイテム収集や社内ヒアリングによって現状のデザイン要素の使われ方を確認・整理する。広告やWebデザインにとどまらず、名刺やキャンペーングッズなど社内の隅々までアイテム収集を行い、ブランド管理者が気付いていなかった課題を発見する。これによりデザイン要素のバラつき具合や、ブランドガイドラインの有無・課題を把握し、ブランドガイドラインとマネジメントシステムの方向性(開発要件)を策定する

次に「①ブランドガイドライン制作」に取り掛かる。ブランドガイドラインは、ブランドイメージに一貫性を持たせるためのルールブックとしての役割を持ち、デザイナーが中心となって製作を進め、構成要素ごとにミーティングで確認しながら精緻化していく。一般的な構成では、「基本デザインシステム(デザインに関わる基本ルール)」「展開デザインシステム(基本ルールを制作物に落とし込んだ際のルールとサンプル)」「ブランドコミュニケーション方針」「ブランドマネジメント方針」が含まれる。「ブランドマネジメント方針」では、新規事業の開発などを見据えてブランド体系運用ルールを策定することもある。

7_perD-20200225_a

次は「ブランドマネジメント組織構築」だ。ブランド体系を運用し、PDCAサイクルを回してブランドを強化ていくには、ブランドマネジメントの推進体制を設置する必要がある。それぞれの組織環境や課題に適した体制を検討することが重要であり、主な組織オプションは以下の3つだ。


A.プロパー組織型
全社的な(場合によってはグループ全体の)ブランドマネジメントを遂行するために専門の部署を新設。

 

B.委員会型
プロパー組織を設置する前段階、全社的なブランドマネジメント体制の確立に向けての準備段階での組織。広範な事業領域を持ち事業部制・分社化などを行う企業が、比較的緩やかな形でブランド運用を行う組織。

C.既存組織強化型
既存の組織に全社的なブランドマネジメントのミッションや機能・権限を付与した組織。全社横断的なブランド運用の必要性を感じながらも、専門組織ではなく既存組織の強化で対応している組織。

またブランド管理方法については、現場の権限とルールの統一感をトレードオフしながら、管理組織が各ブランド活動の設計段階から介入するか、監査のみを行うかといったバランスを検討する。

 

7_perD-20200225_b

最後に「ブランドKPI・PDCA活動」を行う。KPI活動では、たとえばアウターコミュニケーションで顧客に強いブランドイメージを与えられているかを指標とする。その場合、顧客の態度を単なる「認知」から「理解」「共感」へと進めていくために、自社ブランドのどんな強みを表現するべきか選定し、カスタマージャーニーに則って具体施策を検討する。一方でPDCAサイクルは、評価・見直し対象に応じて個別に周期を設けることが一般的だ。たとえばブランディング活動の具体施策は月次、ブランド戦略は年次、さらに上段の事業戦略は3年程度で見直しを行うといった具合だ。

 

ブランド戦略は適切に管理・運用することでより効果が高く、息の長いものとなる。このサービスの詳細にご興味のある方は、サービスページをご覧いただき、ぜひ資料ダウンロードまたはお気軽にお問合せいただきたい。

 


 

WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

WITHコロナ時代の新しい企業と従業員の関係構築のありかた ~業界別・年代別に見る従業員の意識変化とは~

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

顧客視点(CX)と従業員視点(EX)の複眼で策定する企業の危機突破シナリオ

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

World's Best Bankの成功例に見るDX実現~顧客体験価値を向上させるUI/UX〜

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

顧客データ利活用実態レポート ~顧客データの自社活用から情報銀行・PDS事業化への各社方針~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

社会貢献と事業成長は両立できるのか? ~社会課題の解決を通して新市場を開拓する3つのステップ~

お問い合わせ