<第8回>生活者パラダイムの転換 ― 訪日外国人のインバウンド需要

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日本市場でマーケティング活動を検討する場合、当然ターゲットは日本人になると思い込んでいる方も多いかもしれません。しかし、今日では訪日外国人の存在も無視できないほど大きなセグメントに成長しています。

観光庁が発表しているデータによれば、2014年にはその数なんと1300万人を超えており、2020年の東京オリンピックに向けて2000万人に迫る勢いです。1300万人と言えば、日本の人口の約1割に当たります。また、人数もさることながらその購買意欲も非常に高く、14年の消費総額は2兆円を超えると推定されています。2兆円と言えば、日本の化粧品の年間市場規模と同等程度であり、その規模の凄まじさが実感できるかと思います。

 

グラフ: 訪日外客数と旅行消費額の推移

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訪日外国人に対するマーケティング戦略を考えるに当たって重要なのは、「日本人が当たり前だと思っているモノやコトの中で、実は外国人にとって価値のあるものはないか?」という視点です。例えば、雪は日本人にとってはそれほど珍しくもないものですが、アジアにはタイやインドネシアなど雪の降らない国や地域も多く、彼らにとって雪は非常に価値のあるものです。あるいは、少し変わったところで、日本人にとっては携帯やスマホのメールなどでおなじみの絵文字も実は日本発で、今では海外で人気が出ており「emoji」という単語にもなっていると言います。多くの人が、海外では絵文字ってなかったということに対して意外な印象を抱くかと思いますが、そのように日本人にとって当たり前となっているものの中にこそ、宝物が密かに眠っている可能性があるのです。インバウンド需要の意外なヒット商品である、日本式の炊飯器やスキンケア化粧品なども、その好例でしょう。

皆様も自社の製品やサービスなどあらゆるブランド資産の中で、当たり前という意識の下に隠れた宝物を探してみてはいかがでしょうか。もしかしたら、思わぬヒット商品につながるかもしれません。

(文化通信 2015年9月28日号掲載)
本連載は文化通信に寄稿した内容を転載しております。

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