現在、経済や生活に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。ただし、企業の本質的な課題はコロナ前後で変わらず、コロナによってこれまで叫ばれていた変化が加速したと考えられる。変化の激しい状況において、これまで日本企業になじみ深い「中期計画」は効力を失ったとまでは言わないが、より重要なのは「短期」と「長期」のメリハリを踏まえた企業変革であり、そこにおいてマーケティング&イノベーション組織が果たす役割はますます重要性を増している。
アフターコロナ時代に成長できるか否か、時代に即した変革を伴う組織の実行能力が問われる
コロナを契機として変化が加速するものは、「暮らしの中の新常態である“ニューリアリティ”、“コンタクトレス”、“トレーサビリティ”」、つまり暮らしの中から生活者主導で新たな価値が生み出される変化、そして、「働き方の新常態である“分散”、“職住融合”、“フルーガルイノベーション”」、つまり存在価値を求心力とした自律分散的な働き方の定着、また、暮らしと働き方の共通的な新常態として“デジタル浸透”、“安全・健康追求”、“社会価値意識”である。
変化の激しい状況において、企業はOMOやD2CなどのDXを進める戦略の再構築や計画の策定に着手しているが、実際にどのように実現させていくのかについては未だ手探り状態である。
マーケティング&イノベーション組織による価値創造組織への変革
そのような中、マーケティング&イノベーション組織が企業変革において大きな役割を果たすことになる。
なぜならば、マーケティング&イノベーション組織は従前より「価値の定義」「価値の形成」「価値の伝達」「価値の昇華」という役割を担ってきた。これら4つの機能はこれからの時代の成長条件(=価値創造組織)に対応するものである。ここにおいては “短期“と“長期“の視野が重要であり、なじみ深い“中期”発想からの脱却が求められる。
マーケティング&イノベーション組織が果たすべき役割
マーケティング&イノベーション組織が以下の4つの機能を発揮し、企業全体の変革をリードすることで、企業は価値創造組織へと変革が可能になる。
(図1)マーケティング&イノベーション組織が果たすべき役割
変化に対して企業(組織)が対応すべきことは、
・価値定義:パーパスを明確化/再定義し、変化に対して揺るがない軸を作ること
・価値形成:開かれたシステムでイノベーションへの取り組みを推進すること
・価値伝達:様々なデータを活用して生活者をより深く、リアルタイムで理解すること
・価値昇華:不確実の中でも行動し、行動の中から学習を繰り返して組織を進化させること
上記4項目を機能させ、変化/進化をルーティン化(ケイパビリティのアップデート)できる組織への変革である。
チェンジマネジメントの実践にむけて ~科学と感性を融合させた人間中心アプローチ~
変革を進めるにあたっては、“組織の慣性“を意識して推進していくことを留意しなければならない。
組織には慣性の力が働くため、従来の延長線ではない変化は拒絶され、意図した変革が頓挫してしまうことが少なくない。一気に組織転換させるのではなく、既存事業を最適化している組織能力を維持したまま新たな時代に求められる組織能力を獲得していくアプローチが有効である。
当社では、このような組織変革のサポートを、以下のプロセスで行っている。
(図2)サービスプロセス
プロセスにおいては、まず前提として組織目的の明確化が重要である。そして、組織KFS(KPI体系)や組織構造(機能・業務・人)を整備し、変革に向けたプロセスを設計、組織学習をしながら変革活動を推進、定着させる。
このプログラムは、戦略ファームが得意とする組織設計アプローチ(科学アプローチ)でも、人材ファームが得意とする組織開発アプローチ(感性アプローチ)でもなく、それら2つの考え方を取り入れながら、生活者や働く人に焦点を当てた人間中心の当社オリジナルのアプローチと言える。
本サービスにご興味のある方は、ぜひサービスページをご覧の上、資料ダウンロードまたはお問合せいただきたい。
また、この内容を詳しくご説明するオンラインセミナーの開催を予定している。セミナーでは、アフターコロナ時代の変化を踏まえた課題に触れながら、価値創造組織への変革のためのマーケティング&イノベーション組織、成長を加速させるチェンジマネジメントについてお話しする予定である。
ご興味のある方は、ぜひ下記の申込フォームよりお申込み・ご参加いただきたい。
―本内容を詳しくご紹介するオンラインセミナーを実施いたします―
「アフターコロナ時代の成長を加速させるチェンジマネジメント」
日 時:2020年7月17日(金)16:00~18:00
ツール:ZOOM(事前の登録とアップデートをお願いいたします)
登壇者:博報堂コンサルティング エグゼクティブマネジャー 山本 曜平
博報堂コンサルティング シニアマネジャー 小宮 弘行
※本セミナーのお申込みにつきまして、博報堂および博報堂DY ホールディングスグループのNDA およびレギュレーションにより、セミナーのご参加をお断りさせていただく場合がございます。またセミナーでのディスカッション内容は、セミナー事後レポートに掲載させていただくことがございます。予めご了承ください。