「画面の向こう」で起きている“見えない従業員の意識変化“とは ~オンラインセミナーのご報告~

鈴木 雅陽

鈴木 雅陽プロジェクトマネジャー

栗原 隆人エグゼクティブマネジャー

  • 組織改革・人材育成
  • 事業変革

コロナによりもたらされた、リモートワークをはじめとする業務スタイルの大きな変化を受け、従業員の意識や行動はどのように変化したのか。
6月19日に開催した「『画面の向こう』で起きている“見えない従業員の意識変化”オンラインセミナー」では、当社独自の調査結果に基づく分析と、ご参加いただいた方同士の意見交換を通じて、未だ答えがないニューノーマルな働き方に対し企業が取り組むべきテーマのヒントを探った。
本稿では、その様子とポイントをご紹介する。

目次:
セミナー内ディスカッションから得られた3つの傾向
傾向① コミュニケーションの変化による帰属意識の低下
傾向② リモートワークの新しい働き方への戸惑い
傾向③ 組織の中での不公平感からくる不燃化の兆し
従業員意識低下の兆しを防ぐための打ち手とは

 


アフターコロナにおいて求められる、企業と従業員の関係とはどのようなものか?企業活動の再始動にあたり、企業体質を強化するための人材マネジメントのあり方とは?その答えを探るべく、当社ではオンラインセミナーの開催に先立ち、WITHコロナ下での従業員意識・態度について独自の調査を実施した。その結果とそこから読み解く傾向分析については、前回コラムおよび6月18日リリースのレポート「Withコロナ時代の従業員の意識変化レポート」(レポートをご希望の方はこちら)をご覧いただきたい。

6月19日に開催したオンラインセミナー「『画面の向こう』で起きている“見えない従業員の意識変化”」では、この調査結果から見えてきた従業員意識変化の4つの兆しを共有した後、ご参加いただいた方同士、ご自身の会社で実際に起きている悩みや課題についてディスカッションしていただいた。ここでは、その議論から見えた3つの大きな傾向と、今、企業が取り組むべきテーマをご紹介する。

セミナー内ディスカッションから得られた各社共通の傾向・不安事項(抜粋)

傾向① コミュニケーションの変化による帰属意識の低下
1つ目の傾向は、帰属意識の低下である。
働き方の変化に伴いコミュニケーションのあり方も変わり、また全社での情報共有不足などから帰属意識の低下を懸念する声が複数社から上がった。これらは一時的なものという意見もあれば、長期的にみて離職リスクにつながりかねないという不安も表出された。
特に新入社員についての懸念として、「研修が全部オンラインのため横のつながりがつくりにくい」「会社にあまり出社していないため組織に所属している感覚を持っているか不安」など、これまでと違う対応に迫られている中で、対応に苦慮している意見も見られた。

傾向② リモートワークの新しい働き方への戸惑い
2つ目の傾向は働き方の変化による見えないストレスの蓄積である。
コロナ禍で加速度的に浸透したリモートワークは、今後、スタンダードな働き方として定着する可能性が高い。実際、今回のセミナーにご参加いただいた方のうち約8割が、6月19日時点で週の半分以上をリモートワークで働いているということだった。
一方で、このリモートワークの働き方には、まだ戸惑いの声が強い。「オンライン会議で関係構築するのは難しい」「対面なら気軽に質問、会話できるが、相手の状況がわからないのでやりづらい」「タバコ部屋のような偶然のコミュニケーションが全くなくなった」など、オンラインではコミュニケーションの量・質に不足があるという声も多く、コミュニケーションのやり方が変わる中で、意思伝達・情報共有や、新しいアイデア創出にブレーキがかかり、個々人のフラストレーションの蓄積や生産性が低下しているという懸念がある。
また、リモートワークにより労働時間が見えづらくなり、逆に労働時間が増えているという声もある。「仕事とプライベートの差がなくなってやり続けてしまった結果、働く時間が増えた」「家にいるから有給も取りづらい」と、働き方改革と逆行してしまっている印象だ。

傾向③ 組織の中での不公平感からくる不燃化の兆し
3つ目の傾向は、組織における不燃化の兆しである。
働き方の変化によって、顧客からの声をもらう機会や上司から評価される機会が減るなど仕事のやりがいを感じづらくなっている意見が多く上がった。
また、部署別の仕事の偏りや、評価しやすい部署や評価しにくい部署への不公平感、さらには「在宅勤務で見えなくなったことで、自分が評価されているか不安」という声も見られ、仕事に対しての前向きさが低下しているという懸念が上がった。

従業員意識低下の兆しを防ぐための打ち手とは

以上のように、多くの企業で実際に従業員意識の低下を実感し、悩みや課題を抱えているということがディスカッションにより共有できた。では、どうすればよいのか。
例えば、傾向②の「リモートワークという新しい働き方への戸惑い」に代表されるような“働き方失調”には、個々人の異なる働く環境や事情が見えなくった結果不寛容さが増加し、本人も気づかない内にストレスがたまり、社内関係が悪化するといった問題の背景がある。これまで当たり前の様にあった心理的安全が損なわれてしまっため、言葉で表現しにくい様々なストレスや組織の活力低下やが発生している。
このような事態に対しては、単にテレワークツールや業務監視ツール、ストレスケアの施策を導入するだけではなく、そもそもの原因である働き方の変化に合わせ、根本的に働き方のルールを見直す必要がある。そして何より、そのルール作りを、組織全体で相互理解しながらコミットしていくことが非常に重要である。組織の分断化がなかば強制的に進む今だからこそ、全員の目線を合わせ、ボトムアップによってクレド・行動指針を検討していくことが、有効な打ち手となるだろう(図1)。

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(図1)「働き方失調」を防ぐヒント

ほかにも、今回の調査やディスカッションから見えてきた課題に対しては、以下のような取り組みテーマが考えられる。ただ、重要なことは、一律な対応をするのではなく、各企業の状況や個別課題に応じて有効打となる施策を検討・実施することであり、これまで以上に見えにくくなっている、自社の従業員が潜在的に抱える課題や意識変化の兆しを把握することである(図2)。

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(図2)調査で見えた意識低下の兆しを防ぐ取り組みテーマ例

なお、今回のセミナーにおける議題の大前提となる調査は、当社独自の従業員意識を把握するための診断プログラム「シャインサイトサーベイ」を活用して行った。シャインサイトサーベイは、「従業員エンゲージメント」「企業やトップとの関係性」「業務や周囲との関係性」「環境・自己評価」といった4領域、8要素の質問から、社員一人ひとりが感じている不安や悩みを把握し、企業と社員の間で起きている組織の課題を抽出し、最適な解決方法を提供するサービスである(図3)。

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(図3)シャインサイトサーベイの診断プログラム

博報堂グループがマーケティング領域で培ってきた生活者インサイトの手法を活かし、スコアの増減で終わらない従業員意識の深堀と課題発見、そして打ち手の提案と実行支援まで、一括してサポートできるため、ご興味のある方は、ぜひサービスページをご覧の上、資料ダウンロード※していただきたい。

また、セミナー内容の個別説明会の実施なども可能なため、いつでもお気軽にお問合せいただきたい。

 

※資料内にて取材等掲載された企業様とのNDA契約上もしくは開示を拒否、博報堂および博報堂グループのコンプライアンスに従うなどの理由により、資料のご提供をいたしかねる場合がございます。また、資料ご提供可否その理由一切の開示をいたしておりません。予めご了承いただいたうえでお申込み下さいますようお願いいたします。



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