次世代型の新規事業開発とは? ~潮流を汲んだ、プログラムやソリューションのご紹介~

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10月21日に開催したオンラインセミナー「次世代型の新規事業開発~ビッグデータから、未来を予兆する~」では、新規事業開発において重要なソリューションを、進化の過程を振り返りながらお話しした。企業における事業変革や多角化を受けて取り組まれている新規事業開発では、組織や人材、リソースやスキル、そしてプロセスにおいて変化が生まれている。そうした変化の流れを踏まえたチェンジマネジメント、パーパス開発、リーンスタートアップ、オープンイノベーションや、ソーシャルデータの未来予兆解析サービスを紹介した。

セミナー報告 次世代型の新規事業開発~ビッグデータから、未来を予兆する~

10月21日開催のオンラインセミナーには多くの方にご参加いただいた。新規事業開発の変化の流れを振り返りながら、新規事業開発において重要なキーワードである「パーパス」「オープンイノベーション」「リーンスタートアップ」、ソーシャルデータを活用した予兆解析サービス「トレンドスコープ」について、具体的な事例を交えてお話しした。

これまでの新規事業開発の流れ

新規事業開発がどのような進化を遂げてきたのか?

新規事業開発というと、ビジネスモデルまで含めた定義になることが多いが、商品開発やサービス開発まで広げると、ここ数年の話ではなく、数十年前から企業にとって重要なテーマであった。しかし、テーマとして「新規事業開発」は古くから存在するものの、その中身を見ると、経営環境や技術革新によって変化を遂げてきている。デザインシンキング、デザインスプリント、デザインフィクション、スピンアウトイン、ムーンショット等、キーワードの変遷だけを見ても、時代に合わせて変化を遂げてきたことが分かる。

新規事業開発の中身の変化を整理するにあたっては、事業推進や変革の「7S」の要素に分解して考えると理解しやすい。

7Sの一つである「戦略」において、事業変革や多角化に取り組むと、企業の中で新規事業開発への取組が始まる。その流れを受けて、残りの6つのSが影響を受け、新規事業開発に変化や新しい潮流が生まれていく(図1)。

blog_20201105_1(図1)新事業開発における変化 ~7S~

新規事業開発の新しい潮流

影響を受ける6つのSは「組織・仕組み」「ビジョン・ゴール」「人材・スキル」「プロセス」の4つの領域に括ることができ、その4つの領域における変化は以下の通りである。

1つ目の「組織・仕組み」領域においては、深化(既存の強化)と探索(新規への模索)ができる組織・仕組みを作ろうという流れ。

2つ目の「ビジョン・ゴール」領域においては、社会の共感×個人の意志を掛け合わせたゴール設定にしていこうという流れ。

3つ目の「人材・スキル」領域においては、自前主義から脱し、自社以外のリソースを掛け合わせて、新しいバリューを実現しようという流れ。

4つ目の「プロセス」領域においては、コストとリスクを抑えながら、スピーディーに推進をしていこうという流れ。

 

当社では、それぞれの流れに対応するプログラムで新規事業開発をお手伝いさせていただいている。

① 組織を変えていくチェンジマネジメントプログラム

② パーパス開発・アートシンキングプログラム

③ オープンイノベーション推進プログラム

④ リーンスタートアッププログラム

今回は、②~④に新規事業開発に必要な3つのプログラムと、AI×ビッグデータ解析によって課題を解決するソリューション「トレンドスコープ」をご紹介する。

① チェンジマネジメントについてご興味のある方は、こちらのサービスページをご覧いただきたい

●パーパス開発・アートシンキングプログラム

パーパス経営とは、社会における自社の存在意義を真摯に貫き続ける経営を意味し、その盛り上がりの背景には、社会価値の重要度が高まっている流れがある。これまで利益をいかに稼ぐかがメインであったが、今は世の中をいかに良くできるかが優先され、利益はその結果であるという流れが出てきている。新規事業開発もこの流れの影響を受けている。

自社の視点でどのように利益を上げるのか?そして、社会の視点でどのように社会を良くしていくのか?パーパスを開発する際には、この2つの視点を持って、その交差点にあたるところにパーパスをきちんと設定し、事業を成長させると同時に、社会に価値を届けることが求められる。

博報堂コンサルティングでは、新規事業開発を進めていくにあたってのビジョンやパーパス開発を支援している(図2)。

blog_20201105_2(図2)パーパスの実現を通じた事業成長

●オープンイノベーション推進プログラム

オープンイノベーションが重要視されるようになった社会的な背景は大きく2つある。1つ目に、モノの飽和によって機能競争の限界・ライフサイクルの短命化が進むと同時に、業界再編・横断に伴う製品の高度化・複雑化により、「自前主義」が限界を迎えていることである。2つ目に、共創すること自体が競争力の源泉になっていることが挙げられる。つまり、未来予測が難しくなっているからこそ、予測するのではなく、自分たちのありたい未来を掲げ、その未来への共感者を集め、彼らとともに自分達に有利な未来を共創していこうという流れが強まっているのである。

オープンなスタイルで自社と自社以外の資源を掛け合わせバリューやイノベーションを作っていくにあたり、博報堂コンサルティングではインバウンド型のオープンイノベーションについて支援をしている(図3)。

blog_20201105_3

(図3)インバウンド型のオープンイノベーション類型

●リーンスタートアッププログラム

リーンスタートアップとは、小さく・安く・素早く仮説検証を繰り返しながら無駄やリスクを最小化して、成功する確率を高めていくマネジメント手法である。特に、一般的にリーンスタートアップが語られる対象領域は、バリューチェーンの中で言えば、検証・開発領域が多い。しかし、無駄やリスクを最小化し、新規事業の成功確率を高めていこうとした場合、検証・開発領域以外にもその思想を適用することはできる。具体的には、企画段階においては「これまで属人的だったものを仕組み化して再現性を高めていく」、生産段階においては「自社工場・自社ブランドではなく、他社工場・他社ブランドでやることで推進スピードを上げていく」、販売段階においては「急速/売切型ではなく、育成/共創型でブランドを拡大していく」。そうした新規事業開発プロセス自体のアップデートも重要である。

博報堂コンサルティングでは、このような考えに基づいて、リーンスタートアップで新規事業開発を実際に進めていくだけではなく、新規事業開発プロセス自体の変革やDX支援を行っている(図4)。

blog_20201105_4(図4)リーンスタートアップの適用拡大

新商品/サービスを企画・検討するにあたって、属人的なマーケッターの“センス”だけに頼らず、どうやって再現性高く、スピーディーに筋の良いアイデアを出すか?その課題をテクノロジーによって解決する方法がある。その一つである英国のBlack Swan(ブラックスワン)社が開発した「Trendscorp(トレンドスコープ)」というサービスをご紹介する。

ビッグデータ解析で未来を予兆 「トレンドスコープ」

現在、40億人という世界の人口の約半分に迫る勢いの方々が、SNSを使っていると言われている。ツイッターだけに絞っても、毎分3.5億ぐらいツイッター上でコンテンツが発信されているという状態であり、まさに湧き出るように生活者の思いが、ソーシャル上に展開され続けている時代である。

そのような時代と言われてからおよそ10年近く経っているが、事業活動あるいはマーケディング活動に、そのデータを活用できているかで言えば、まだまだ限られた企業でしか使われていないというのが現状である。この大量のデータは扱いづらく、価値あるものなのか?と悩まれている方も多かったものの、今回ご紹介するトレンドスコープでは、ソーシャルデータにAIを掛け算することによって、ソーシャルデータを利用可能な、価値ある資源に変えた(図5)。

blog_20201105_5(図5)トレンドスコープ

トレンドスコープは、ツイッターの全量データを基軸にしたSNSデータの解析ツールである。世界中で発信されるツイートデータを意味に応じて分類していく。この作業は作業が膨大すぎる余り、今までは実施されてこなかった。しかし、機械学習技術と人間による目視確認を組み合わせることで、膨大な作業であるデータの整理と評価を精度高く、かつ迅速に実現することが可能になった。トレンドスコープが優れているのは、その結果をダッシュボード化し、誰でも簡単に使えるようになっている点であり、多くの人が使えるからこそ、マーケティング活動、事業活動に幅広く、その解析結果データを活用することができる。結果として、これまではマーケッターのセンスや主観で語られていたことが客観的になり、また情報収集や解析などに費やされた時間をより顧客にとって価値のあるものを考える時間にシフトすることが可能になる。

これらの内容にご興味のある方は、ぜひサービスページをご覧いただき、資料のダウンロードまたはお気軽にお問合せいただきたい。

 


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