日本経済は20年以上に渡り、低成長、デフレ経済に苦しみ続けてきましたが、新政権の発足をキッカケに、円高が是正され、株価も急回復しています。この勢いが長く続いて欲しいと願う一方で、中長期的な視点でしっかりと対応していかなければならないのが、「アジア市場」における成長戦略です。

日本の国内総生産の60%を占める国内消費は、人口減少(特に生産年齢人口は1995年のピークから2030年には8割程度に減少)と所得の伸び悩みの中で、健全な利益成長を維持できる企業はますます限られてくると思われます。これからの世界経済の成長を牽引する新興国市場、中でも、距離的にも、文化的にも近い「アジア」市場で成長することが、多くの企業で最重要課題となっています。

そのアジアの中で、最近、日本企業を含む世界中の企業の注目が集まっているのがASEAN市場です。IMFの統計によれば、2030年には中国がアメリカを抜き世界のGDPの約1/4を担うとされている一方、特に日本企業にとっては、歴史的な背景、国内外での政治的な問題を含めた様々なリスクも懸念され始めている中で、もう1つの成長するアジアであるASEAN市場の重要性が増しています。

博報堂コンサルティングは、昨年、このようなASEAN市場に展開する日本企業が抱えているマーケティング活動の現状と課題を把握するために、アジア市場戦略を担当されている日本企業の方々にヒアリング調査をさせていただきました。その結果、企業のグローバル化/アジア化の進展度に応じた4段階の課題が浮き彫りになりました。

レベル1: アジアコンシューマーの共通性と異質性の把握
レベル2: アジア特有の中間層に合った商品・サービスの開発
レベル3: 汎アジア市場における統合的なブランドマネジメント体制の確立
レベル4: 採用力・求心力を高めるためのエンプロイヤ/エンプロイブランディング

このような日本企業の抱えるマーケティング課題解決を支援するための拠点として、2013年1月に、シンガポールに博報堂コンサルティング・アジア・パシフィックを設立し、シンガポール政府系研究機関や現地パートナーと提携しながら、ASEAN市場におけるマーケティング活動の支援体制を強化しています。日本企業の本社とローカル拠点をつなぐハブとして、ASEAN市場におけるマーケティング戦略構築と、ブランドマネジメントをご支援してまいります。

(博報堂コンサルティングニュースレター 第14号掲載)