<第2回>成長に向けたブランド戦略 ― 多様な知覚要素を考慮

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ブランド戦略の具体的手段に入る前に、今回は生活者・顧客がどのようにブランドを理解するのかを考えてみたい。

ブランドに対する知覚の第1にくるのはその商品やサービスが属するカテゴリーだ。例えば「清涼飲料」「お酒」がそれに該当する。また、カテゴリーは「清涼飲料→茶系飲料→緑茶」といったように階層をつくる。カテゴリーは基本的にあらかじめ知覚されているため、どのカテゴリーに属する形で認識されるかは、ブランドの使用目的や特徴等の基本的情報のかなりの部分を規定することになる。

続いて、その商品・サービス固有の特徴と、その特徴から得られる便益が知覚される。便益には機能的な側面と心理的な側面がある。例えばユニクロのカジュアルウェアであれば、前者は「機能の高さから来る快適性や防寒・防暑性」、後者は「自分に必要な価値を見極めたスマートな消費スタイルへの満足感」が挙げられるだろう。
これらは商品・サービスそれ自体に関わる要素で、いわば基本的・直接的要素と言える。他方、間接的な知覚要素もある。例えば、そのブランドを利用する人やシーンのイメージ、ブランドの雰囲気・世界観などだ。また、企業がブランドを通じて何らかの価値観や社会的理念を表明するケースがあるが、それらも知覚要素となる。こうした間接的要素は、消費に対する意味性の強い市場では特に重要な役割を果たす。

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※図: ブランドの知覚要素

このように、生活者・顧客は多様な次元でブランドを知覚し、理解する。そして重要なことは、ここで挙げた要素は全てブランディングの切り口となることだ。選ばれるために望ましい知覚のあり方を描き、それに基づいて商品・サービス自体やコミュニケーションを設計していくことがブランド戦略の要諦なのである。

(日経産業新聞 2015年12月2日付朝刊 スタートアップ面「ビジネス事始め」掲載)


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